ランサムウェア攻撃を受けたとき、企業では何が起きるのか

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向け脅威の1位として「ランサム攻撃による被害」が選出されています。ランサム攻撃は2016年の初選出以来、11年連続でランキングに含まれており、日本企業にとって最も現実的なサイバーリスクの一つとされています。
この結果は、ランサムウェア攻撃が一時的な流行ではなく、企業活動に継続的な影響を与える脅威であることを示しています。
しかし、ランサムウェア攻撃について語られる際には、「どう防ぐか」や「検知を早くする」といった技術的な対策に焦点が当てられることが多く、実際に攻撃を受けた企業で何が起きるのかについてはあまり知られていません。
サイリーグでは、ランサムウェア対策を考えるうえで重要なのは、攻撃を受けたときに企業で何が起きるのかを理解しておくことだと考えています。
ランサムウェア攻撃の典型的な流れ
ランサムウェア攻撃では、次のような流れで被害が拡大するケースが多く見られます。
| フェーズ | 企業で起きること |
|---|---|
| 侵入 | VPN・メール・脆弱性などから侵入 |
| 内部活動 | 管理権限取得、横展開 |
| データ窃取 | 重要情報の持ち出し |
| 暗号化 | ファイルやサーバーの暗号化 |
| 身代金要求 | データ公開を含む脅迫 |
最近のランサムウェアでは、単にファイルを暗号化するだけでなく、盗んだデータの公開をちらつかせる二重脅迫型の攻撃が主流になっています。
企業が最初に直面する問題
ランサムウェア攻撃が発覚したとき、企業ではすぐに技術的な調査が始まるとは限りません。
多くの場合、まず次のような状況に直面します。
- どこまで侵害されているのか分からない
- 影響範囲が不明確
- システム停止の判断ができない
- 誰が意思決定するのか分からない
つまり、技術的な問題以前に組織としてどう対応するのかという課題が発生します。
技術対応より前に起きる意思決定
ランサムウェア攻撃を受けた企業では、次のような重要な判断が求められます。
- システムを停止するか
- 顧客への通知を行うか
- 警察・関係機関への報告
- 外部専門家への依頼
これらの判断は、IT部門だけでは決められません。経営、法務、広報など複数部門が関与する意思決定になります。
復旧までの道のり
ランサムウェア攻撃を受けた企業では、復旧までに長い時間を要するケースもあります。
実際のインシデントでは、次のような対応が必要になることがあります。
- フォレンジック調査
- 影響範囲の特定
- システム復旧
- 再発防止策の実施
企業によっては復旧まで数週間から数か月かかるケースもあり、事業への影響が長期化することもあります。
サイリーグが考えるサイバーレジリエンス
サイリーグでは、ランサムウェア対策は「防ぐこと」だけでなく、被害を受けた際に迅速に対応できる体制を整えることが重要だと考えています。
サイバー攻撃を完全に防ぐことは難しい時代になっています。そのため、インシデント発生時に迅速に対応できる体制を整備しておくことが、企業のサイバーレジリエンスを高めることにつながります。
しかし実際には、インシデントが発生してから外部専門家を探し、契約手続きや社内調整を行うケースも多く、初動対応の開始までに時間がかかることがあります。
サイリーグでは、こうした課題に対応するため、インシデント発生時に迅速に支援を開始できる体制を事前に整備するサービスとしてCyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージを提供しています。平時の準備から有事の初動対応までを一体で支援することで、企業のサイバーレジリエンス強化を支援しています。
まとめ
ランサムウェア攻撃は、日本企業にとって最も現実的なサイバーリスクの一つです。
実際のインシデントでは、技術的な対応だけでなく、組織としての意思決定や体制整備が重要になります。
サイリーグは、こうした観点から企業のサイバーレジリエンス強化を支援しています。
サイバーレジリエンスの考え方については、「サイバーレジリエンスとは何か」でも詳しく解説しています。